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文化との関わり

コラム

まっくらな中での対話 Dialog in the Dark

2007年5月25日

全ての人がお互いの多様性を認めながら生活できる、心のバリアフリー社会の実現を目指して。

Dialog in the Dark (ダイアログ イン ザ ダーク)は、森や街などの日常風景を再現した「まっくらな空間」を、 視覚以外の感覚を使って体験する展覧会です。ヨーロッパ中心に70都市で開催、 すでに100万人以上が体験しています。 視覚のない世界での音の重要性は言うまでもありません。 TOAでは、 2000年、 2005年の二回にわたり、 このイベントを開催 (ジーベックホール)。その他の地域での活動にも、音響機材・映像機材の提供と、 技術スタッフの派遣を行っています。

まっくらな会場を手渡された白杖を頼りに進むこのイベント、会場内では、自分の手の先すら見えません。そんな中を案内してくれるのは、 目の不自由な方々。その声に導かれて、視覚の遮断された世界を体験します。最初は見えないことに対する恐怖で緊張している参加者も、 会場を進むうちに、次第に自分たちが持っている視覚以外の感覚の豊かさに気づきはじめます。

まもなく、頭上から鳥のさえずりが聞こえてきます。足元から伝わる落ち葉の感触と木々の匂い、どうやらここは森のようで、 不思議な安心感を得ます。さらに進んでいくと、聴こえる音が変化しました。騒がしい車の騒音が、目の前を左右に走り抜けていきます。ここは、 道路の交差点。「これはセットだ。本当は車なんか走っていない。」そう頭ではわかっていても足がすくみ、 どちらに向かって歩いて良いのかもわからない不安に襲われます。そんなとき、足の裏に伝わる突起のある床の感触、誘導用の点字ブロックです。 いつもはまったく気にせず歩いていたのに、見えないこの世界ではこんなにもありがたいとは。そして、何より頼もしく思えたのは「大丈夫、 こっちですよ。」という案内役の声と、差し出してくれた手の温かさでした。いままで無意識に決め付けていた「健常者が助け、 障がい者が助けられる」という関係が、いかに身勝手で、おごったものだったかを感じる瞬間でした。

それまで気がつかなかった新しい感覚に気づき、新しい人との接し方に目覚める体験。そんな体験を通して参加者は心を開き、 障がいの有無や先入観を越えた、1人ひとりの人間同士としての対話が、 まっくらな中で始まるのです。こんな素晴らしいイベントに、 自社の音響技術を駆使してご協力できることを嬉しく思い、 これからもサポートを続けていきたいと思いました。


主催:特定非営利活動法人ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン
Dialog in the Dark 公式H.P.
http://www.dialoginthedark.com/

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